アパートの前の道 [ベトナムの風景]
アパートの外から「オイ!」という男の叫び声が聞こえてきた。のんきな感じの「おーい」ではなく、声を限りに叫んでいる。ただ事ではない様子に、私は窓をあけてアパートの前の道路を見下ろした。
自転車の少年二人組が道路わきに止まっていた。近くの交差点が縄張りのバイクタクシーのおじちゃんや、向かいのピザ屋の人などが、少年たちを囲み始めた。少年の一人は、うなだれ、涙をぬぐっているようだ。
上から見下ろすだけでは状況が分からないなぁと思っていたところ、ちょうど夫がマッサージ屋から帰ってきた。聞くと、現場を目撃したという。自転車の少年は、ひったくりにあったそうだ。中学生ぐらいの年齢の、自転車に乗った少年の荷物を奪ったところで、たいしたものはないだろうに(意外とiPhoneとか持ってたりするのだろうか?)。
同じように、外で怒号が聞こえ、道を見下ろすことがたまにある。一番多いのは、バイクをぶつけたぶつけられたの喧嘩、続いて、道の角に陣取るタバコ売りの女性の本気の痴話げんか(羽交い絞めされながらも7階に聞こえる大声で叫ぶのだ)。一番驚いたのは、交通量の少なくなった深夜、道に転がった一人の男を複数の男が蹴ってリンチしている場面。治安の良いと言われる中心地に住んでいるのだけど。
春まで何事もなく無事帰れますように。

気になる路地の奥 (本文とは関係ありません)
壬辰の年 [ベトナムの風景]

人々の目線の先には・・・

獅子舞。今日はベトナムの旧正月の1日目だ。

実は初めて旧正月をベトナムで迎える。たいていのお店が閉まってしまうと聞き、焦って食材を買いだめしたりして、この間の太陽暦の正月よりよりよっぽど年越し感があった。
獅子舞の音楽に合わせて、犬が吠えている。新鮮な食材として買い求められたのだろうか、ニワトリの鳴き声も甲高く響く。
土曜日の午前、サイゴン [ベトナムの風景]
土曜日の朝10時ごろ、窓の外を撮影。いつもより騒々しくなっております。

先日手紙を送るために切手を買った。郵便局の窓口で「なにか綺麗な切手を・・・」と言ったところ、売り場のおばちゃんはうむと頷き、選ぶでもなく手近に置いてある切手を出した。ヘミングウェイの没後50年の記念切手のようだ。

名前が"Hê-minh-uê(へ ミン ウェー)"となっている。ベトナム人風ですな。
そういえば、日本語を勉強しているA.Nが「"hot dog"がカタカナで『ホットドッグ』になるんだね!おもしろい!」と衝撃を受けていたなぁ。
外人っぽい鯛 [生活・内]

ベトナムで年越しした。大晦日の夕方に、日本食屋さんに頼んでおいたおせちが届いた。食材の調達から調理、配達まで大変な労力が詰め込まれている直径20㎝ほどのすし桶一段分が、ありがたい。NHKワールドプレミアムで紅白を見ながらつまんでいたところ、食べきってしまった。お正月から何を食べればいいのだろうか。
エビの下に、鯛が隠れていた。それを見て夫が「この鯛・・・外人っぽい」と言う。

たしかに、日本で見る鯛の顔とどこか違う・・・(食べかけの写真で失礼)。見れば見るほど外人っぽく見えてきて、「私は鯛ではありませんから!」という魚の心の声まで聞こえてくる気がする。気のせいか。
ベトナムに来てから6年、年賀状を書かなくなってしまい、失礼しております。今年もよろしくお願いいたします。今年は日本でお花見がしたいです。
きな粉様 [生活・外]
売ってると思ったんだけどなぁ・・・。わらびもちプロジェクトのために、何か月ぶりになるだろうか、日本食材屋さんへ詣でた。しかし、きな粉が見当たらない。わらびもちを夢見るTさんには「ベトナムにもきな粉(bot dau nanh)はありますが、米粉が混じっててちょっと違うんです」と言われたみたいだから、やっぱり日本のきな粉を手に入れたいよなぁ・・・。どこかで見た気がするのに。きな粉を探す旅に出るしかないか。もしくは大豆を挽くか。

うちにはサンタクロースは来ないと思っていたら、夫がスパに連れて行ってくれた。顔にいろいろ塗ってもらいながら聞こえてくるのは、近くのサイゴン大教会で鳴り響く鐘の音と、夫の高いびき。
夢のわらびもち [人]
夫は会社から帰ってくると80%ぐらいの確率で「今日Tさんがさぁ・・・」という話をする。Tさんは部下のベトナム人女性で、二十代後半ぐらい。日本語ができる。海外から日本への旅行客が激減した今年の4月、T夫婦は日本に旅行に出かけた。お土産は、日本で気に入ったのだろう、生のいちごをスーパーで買ってきて、職場で配ったそうだ。
日本語ができることに加えて、性格が穏やかで我慢強く、夫はいつも助けられているようだ。なのでいつかケーキなど焼いてT夫婦をもてなしたいと思っているのだけど、Tさんはベジタリアンで、牛乳はいいが卵がダメだという。なにもできないまま日が過ぎた。
そんな中、Tさんがここ何週間もデスクに置き、ながめてはため息をついているものがあると言う。昨夜、夫がそのコピーをとり、持って帰ってきた。

「わらびもち」のレシピだ。日本で食して気に入ったのだろうか。そうか、これだとベジタリアンの人も食べられる。

辞書をひきながら読んだみたいだ。左上、「塗す」なんてレシピ上にも漢字で書いてないし、私も読めないけどな。
よし、Tさんにわらびもちを献上しよう。しかし、「わらびもちの粉」なんていうものはここでは手に入らない。調べると、片栗粉で代用できるようだ。うまくできるかわからないけど、今週末にでも練習してみようと思う。
人は顔で認識する [生活・内]
鏡を見て、これは誰だろうと一瞬思う。 そのくらい顔が腫れた。顔全体をしばらく水につけてふやかした感じと言えばいいだろうか。目の周辺でいえば、目やにを取ろうと指をあてると、指が目的地までたどり着かないほどだ。
その日、夫が和食やでお寿司を買って帰ってきてくれた。ベトナムで売っているもので欲しいものは特にないし、引っ越しのために断捨離してるから誕生日プレゼント買わないでと言う私に対し、気を利かせたみたいだ。お寿司をとると普段は何個か夫にあげるのだが、誕生日だからという気持ちの勢いがあった私は自分の分を全部食べた(エビとウニは交換したけど)。犯人は、青魚だ。
顔が腫れあがった私に対し、夫は「よかったね、俺、顔で選んだんじゃないからさ」と言いつつ、一方で「あぁ、別の女が家にいるみたいで妻に申し訳ない感じがする・・・」という、深く考えれば矛盾しているようなしていないような発言をしていた。顔がかゆいぐらいでほかに不調のない私より、非日常な顔をした私と接しなければならない夫の方がダメージを受けたのかもしれない。
どういう経過をたどるか見たかったので、病院に行かずに観察した(仕事がない人間の利点ですな)。ピーク時には、家に入ってきて掃除をしてくれるハウスキーピングさんにドメスティックバイオレンス的なことを疑われるだろうかと思うような、もしくは、お岩さんって案外簡単になれるのかもと思うような腫れ方だったけど、3日間でおさまった。記録するために撮っておいた顔写真は見返すとおもしろい。載せられないのが残念。
人は個体を識別するとき顔で判断しているということと、表情は他人のためのものであるということがよく理解できた。

2011年12月14日 [生活・内]

パソコンのデスクトップに表示させる、ガジェット。私は「天気」のガジェットを二つ表示させている。東京とホーチミンの気温差は、今こんな感じ。

暑いけど、クリスマスは来るみたいだ。住んでいるアパートのロビーには大きなクリスマスツリーが出現。サンタの飾りを至近距離で撮っていたら、アオザイを着た受付の子たちに笑われた。
スターのように [ベトナムの風景]

ホーチミン、タンソンニャット空港に降りてまず圧倒されるのは、お迎えに来ている人々の多さ。
↑暗くて見えづらい動画ですが、混み合っている感じがわかるかと。最後の一瞬にドラマが。

空港出口。おばあちゃんは家で待っててもいいんじゃない?と思ってしまうようなご年配の方も、お迎えに来ている。短時間の滞在で、家にいては惜しいぐらいなのだろうか、それとも、長年待ちに待った人との再会なのだろうか。想像が膨らむ。
大勢の人に囲まれ、注目を浴びるこの場。一度どなたか度胸のある人に、スター気取りで"Hello, Vietnam! 俺のために集まってくれてありがとう!" みたいなことを言ってから、一曲歌ってもらいたい。きっと「うわぁ、変な外人きた」と言いながらも、みんな笑って、拍手してくれそう。そんな国です。

河口湖の不思議 [一時帰国]

両親につれられ、河口湖へ旅行。河口湖をサイクリングで一周したりしながら、久しぶりに紅葉や富士山を堪能することができた。
帰りの河口湖駅で、不思議なことがあった。1時間に2本しかない富士急行線の電車を、駅のベンチに座って待っていた。私の隣に、茶髪の女子高生二人組が座った。セーラー服のスカートを膝上15cm程に短くした、今風の子たちだ。女子高生二人はおしゃべりしながらドーナッツを食べ始め、しばらくすると私に「食べますか?」と言って食べかけのドーナツを差し出した。
私は特にうらやまし気にドーナツを見ていたわけではない。二人の方は見ずに、今の女子高生はどんなこと話すのかしらねーと思いながら耳をそばだて・・・いや、普通に座っていたと思う。ドーナツを食べているらしいなぁというのも、話し声からの情報だ。彼女の「食べますか?」という言い方は、受け入れられるだろうか、どうだろうかと、おずおずした感じだった。とっさのことでびっくりしてしまった私は、かろうじて笑顔で「いいです、ありがとう」と言ったけど、もっとその場を柔らかくできるような一言が思いつけばよかったなぁと思う。見知らぬ人に、ドーナツをすすめる勇気。日本の女子高生のイメージが一つ広がった。
思い返すと、前回河口湖を訪ねたときにも不思議なことがあった。10年ほど前のこと。人形作家、与勇輝さんの作品を展示している「河口湖ミューズ館」に行った。実際森にこんな感じでいるんだろうなぁと思えるような妖精の人形を見ていたら、10歳くらいの女の子がやってきて、私の手を握った。少女はニコニコしてそれはうれしそうなのだが、私は焦った。人違いしてるのだろうか。その子のお母さんらしき人がいるかと見まわすが、見当たらない。私の顔を見ながら手を握ってくるからこちらも軽く握り返すしかなく、しばらくそうして人形を見ていたと思う。むしろこの子が妖精なんじゃないだろうか、などと思いながら。
河口湖、不思議だ。

チラシと欲望 [一時帰国]

魔法の薬(今回はトラベルミン)を飲んでいるせいで地下鉄を乗り過ごしたりしながら東京の実家に着いたのが昨日。今朝、新聞の折り込みチラシを眺めて、私の欲望が刺激された。クリスマス商戦中なのね!
パソコンその他家電を安く買いたいし、CD・DVDは高く買い取ってほしいし、肉は半額で買いたい。入会金ゼロのキャンペーン中にフィットネスクラブに入りたいし、お気に入りの靴はリペアに出したいし、新車に乗りたいし(嘘)、スタイリッシュなマンションに住みたい、いや、一戸建てが欲しい(無理か)・・・私を含め、たくさんの人の欲望が透けて見えるチラシ、大好きだ。あんまり強い眼力で一枚一枚チラシを見てるから、そのうち穴があくんじゃないだろうか。
猫です。名前は・・・ [ナリキリ]
.jpg)
こんにちは、猫です。名前はまだありません。この家に来てから「にゃんきち」、「にゃんきち」と呼ばれている気がするけど、フッ、僕がそんな名前だなんてありえないね。僕には、なんていうか、もっとシャレた名前が似合うはずだ。だって北欧の猫なんだから。
-0b79a.jpg)
だいたい僕が「にゃん」なんて鳴くわけないじゃないか。だから今度「にゃんきち」と呼ばれたら、僕は最大限の反感を込めて "・・・ミャーウ?" と鳴き返してやるね。
主:「にゃんきち、3週間ほど日本に帰ってくるから、留守番頼むね」
-1d8a9.jpg)
えっ・・・?! 3週間ていうのは、3日間ていうのより長い?僕の前に皿を置いてシンガポールに行ったのが3日間ってやつだったけど、それより長いの?
そう・・・。
そ、そ、そんなの寂しいにゃーん!
・・・
・・・
主:「また、お皿置いていくからさ」
ハウスキーピングさんに常時腹ペコの猫だと思われるからそれはやめてほしいにゃー!
主:「たまには邪魔者抜きでイヴォンヌちゃんと語り合えばいいよ。猫どうし、つもる話もあるでしょう」
イヴォンヌちゃん・・・?
-dcd69.jpg)
~~~~~~
9月末、Licoちゃんが送ってくれた小包を開けると、箱一杯の大きさの猫のぬいぐるみが入っていた(チェブラーシカの登場シーンみたいだ)。猫の性別でしばらく悩み、うーん、オスね!と決めた後も、名前でしばらく悩み、結果「にゃん吉」に落ち着いた。左右非対称なところ、さわり心地がぼそぼそしているところ、何か言いた気な目つき、たまらない。Licoちゃんありがとう。
11月中旬から12月頭まで一時帰国する予定です。
マリア像の下で [ベトナムの風景]
(この記事の下の下に、シンガポールの記事を加えました)

郵便局前のサイゴン大教会。マリア像の下では

結婚式の家族写真を撮影していた。
10月17日に沖縄から送られたEMSが、まだ届かない。調べてみると、10月21日にはベトナムに着いているようだ。検疫で引っかかっている模様。EMSはここ数年わりとスムーズに(日本から4日とかで)届いていたのに、よりによってチョコレートが入っているときに・・・。2006年に、日本から送ったEMSが1か月ぐらいかかり、憤慨したのを思い出した。もうそんなには怒らなくなったなぁ。
ひらがなを習得 [人]
カリフォルニア在住のA.N(女性、ご両親はベトナム人)からメールが来た。そのメールを紹介しようと思う。
~~~~~
Konbanwa.(以下、英語を日本語に訳しました)
初めてひらがなを読んだ!日本食レストランの名前なんだけど、自分で読めたのがすごくうれしい。「だん」って書いてあった!Danは男の人の名前だよ。
友達の娘さんに、"ta da!"っていう言葉を教えていて(※日本語では"ジャジャーン!"という感じ)、それで、私が"ta"っていうと、その子が"da"って言うようになった。すごくかわいい。そして、私はそれをひらがなで書けることに気づいた!
た だ!
今のところひらがなを21文字読めるようになった。私のお気に入りは 「お」 です。すごくかわいい!
それではまた。
た だ!
A.N
~~~~~~~~~~~~~
6月ごろだったか、「東北にボランティアに行こうと思う」というメールが彼女から来た。私が真っ先に思ったのは、彼女、日本語分からないけど大丈夫だろうか、ということだった。そんな私の心配をよそにA.Nは思いを実行に移し、今年の夏、カリフォルニアから初めて日本を訪れ、気仙沼を拠点としたボランティア団体のプログラムに参加し、泥出しなどの作業をしてきたようだ。
その後カリフォルニアに戻り、9月から日本語を学び始めた結果が、前述のメール。
色々なことを思う。まず第一にA.Nに対する心からの感謝、すごいなぁと思う気持ち。次に、私は日本語もしゃべれる日本人なのに・・・という気持ち。でも、私は体力がないし、精神面では気持ちがうつりやすいから泣くばっかりで迷惑かけそうだな、とか、いや、きっとそんな人たちだって気合を入れてボランティアに行ってるんだろうな、等々。
「適材適所」と思うことにする。A.Nはボランティア活動に慣れている。そして、会う人にパワーを与えられる笑顔を持っている。カリフォルニアに戻ってから、忙しい生活の合間を縫って、気仙沼でのことを少しずつメールで報告してくれた。彼女は自分はこう頑張ったというようなことを全然書かないけれど、被災された女性が涙を流して感謝してくれたとき、自分は人前で絶対泣かないと思っているのに泣きそうになった、と書いていた。
私の適所は、ただいま探し中。
A.Nが次に気に入るひらがなは何か予想する。夫は 「ゆ」 だという。私は 「な」 じゃないかなと思う。
シンガポール6回目 [旅行]
シンガポールも6度目だから、ちょっとのことでは驚かないんだもんねと思っていたが、MEIDI-YA(日系のスーパー)に行けば自然に出てしまう「うわー!」「えーもう、なんでー!」等の感嘆ボイス。カップ入り三連モズク・メカブを「ああ・・・」と言いながらかごに入れ、スイーツコーナーで札幌プリンをみつけて「くっ・・・」と湧き上がる感情を抑え(こんなものが手に入るとは・・・)、いそいでつかんでかごに入れたこんにゃくゼリーは、後日よく見ると「繊維蒟蒻果の凍」、「ゼりー」と書かれている台湾製で・・・。でも、おいしかったから、いいや。(シンガポールMEIDI-YAの品揃えはこちらで垣間見れます)

今までしたことがないことをしようと、リトルインディアに行って

本格的なアーユルヴェーダを受けた。

体質を知るための質問が90ほど。体質関連の英語なんてわかるだろうかと思っていたら、これと照らし合わせてくださいと日本語訳の紙を渡してくれた。

様々な質問。私はヴァータ(風)が強く、夫はピッタ(火)が強い。体質によって使うオイルを変えてくれるというのは、とてもうれしい。体のマッサージ「アビヤンガ」と、額にオイルを垂らす「シロダーラ」。インド人のおばさんが施術してくれた。血流・代謝の良くない私は、こういうのが合っているみたいだ。




